借入一覧表の作り方|不動産賃貸の全借入を1枚で管理する項目設計
複数の物件でローンを組むと、「今どこにいくら残っていて、金利は何%だったか」を即答できなくなりがちです。借入がバラバラだと、金利の見直しや借り換えを考えるときも、まず現状を並べ直すところで時間を取られます。この記事では、全借入を1枚に集約する借入一覧表の項目設計と、作り方・更新の運用を整理します。ここに書くのは一般的な考え方の目安であり、個別の融資条件や税務の扱いは金融機関・税理士など専門家に確認してください。
なぜ「1枚の借入一覧表」が要るのか
借入一覧表は、全借入を横一列に並べて全体像を1枚で見るための道具です。物件ごとの返済予定表は金融機関から渡されますが、それは1本ずつバラバラの紙。複数物件・複数借入になると、「全体で毎月いくら返しているか」「どの借入が一番金利が高いか」「どれが先に完済に近づくか」といった、横断で見ないと分からない情報が抜け落ちます。
一覧表があると、次のような判断の起点になります。
- 金利の高い借入から優先的に見直し・金利引き下げ交渉を検討できる
- 残高・残期間・金利差を並べて、借り換えのタイミングを具体的な数字で比較できる
- 金融機関との面談や決算のときに、返済状況の根拠数字をすぐ出せる
逆に言えば、この1枚がないと、金利の見直しも借り換えも「まず資料を作る」ところから始まってしまいます。
借入一覧表に載せる項目(設計の基本)
一覧表は、項目を欲張りすぎず「後の判断に効く列」に絞るのがコツです。最低限そろえたいのは次の項目です。
| 列 | 内容 | なぜ要るか |
|---|---|---|
| 借入先 | 金融機関名・支店 | 交渉相手・借り換え比較の単位 |
| 対象物件 | どの物件の借入か | 物件別の採算と紐づける |
| 当初借入額 | 最初に借りた元本 | 返済の進み具合を測る基準 |
| 借入残高 | 現在の元本残高 | 借り換え効果・全体債務の把握 |
| 金利 | 現在の適用金利 | 見直し・交渉の優先順位づけ |
| 金利タイプ | 固定/変動・見直し時期 | 固定変動の見直し判断 |
| 借入日・最終返済期日 | 期間の起点と終点 | 残期間の把握 |
| 残返済期間 | 完済までの残り年数 | 金利差の効き方を左右する |
| 毎月返済額 | 元利合計 | 資金繰りの土台 |
| 借入種類 | プロパー・アパートローン等 | 条件の傾向を把握する |
| 団信の有無 | 団体信用生命保険の付帯 | 保障・繰上返済判断の材料 |
団信(団体信用生命保険)の有無は、繰上返済や借り換えの判断に絡むことがあります。保障内容の扱いは保険会社や商品により異なるため、詳細は保険会社等に確認してください。物件ごとの採算まで踏み込むなら、手残りの読み方の考え方と合わせて見ると、返済が経営を圧迫していないかが判断しやすくなります。
作り方の手順
ゼロから作るときは、次の順番で埋めていくと迷いません。
- 借入を全部洗い出す:物件ごとの返済予定表・金銭消費貸借契約書・通帳の引き落としを突き合わせ、借入の「本数」を確定する。ここで漏れると一覧の意味が薄れます。
- 契約書から固定情報を転記する:借入先・当初借入額・金利・金利タイプ・借入日・最終返済期日・種類・団信の有無。契約時に決まって動かない項目です。
- 残高・残期間を最新化する:借入残高は返済予定表の当月時点、または金融機関の残高証明で確認する。ここが古いと判断を誤ります。
- 合計行を作る:借入残高・毎月返済額の合計を一番下に置く。「全体でいくら借りていて、毎月いくら返しているか」が1行で分かる状態にします。
表計算ソフトで作る場合は、金利の高い順・残高の大きい順に並べ替えられるようにしておくと、見直しの優先順位づけがそのまま行えます。
更新をどう回すか
一覧表は「作って終わり」ではなく、鮮度が命です。残高は毎月減り、変動金利は見直しのたびに動きます。古い数字のまま借り換えを検討すると、効果を読み違えかねません。
- 月次:借入残高・毎月返済額を更新(返済が進んだ分を反映)
- 金利見直し時:変動金利の適用金利と見直し日を書き換える
- 借入の増減時:新規借入は行を追加、完済した借入は完済日を記録して別管理へ
更新のタイミングを「毎月の家賃入金確認と同じ日にまとめてやる」と決めておくと、後回しになりにくくなります。手作業だと、この月次更新が地味に負担で、気づけば数字が数か月前のまま、という状態に陥りがちです。
Smart CFO なら、借入一覧を作り直す手間から解放される
借入一覧表の弱点は、物件や借入が増えるほど、手入力の更新が重くなることです。Smart CFO は、複数物件・複数借入の残高と返済条件を一元管理し、全借入を一目で可視化します。残高や返済状況が反映された状態で、どの借入の金利が高いか、どれが借り換え・繰上返済の検討対象かを画面上で確認できます。
金融機関との金利交渉や決算のときも、返済状況の根拠となる数字をその場で出せるため、面談のたびに一覧を手で作り直す必要がありません。「比較のための資料づくり」に消耗せず、判断そのものに時間を使えるようになります。
まずは自社の借入をどう1枚にまとめるか相談する
借入一覧表は、金利の見直しや借り換えを考えるときの出発点になる道具です。まずは今ある借入を正確に1枚へ並べ、全体像をつかむところから始めてみてください。複数物件・複数借入の一元管理や、更新の手間をどう減らせるか気になる方は、下記のお問い合わせから、自社の状況に合わせた進め方をお気軽にご相談ください。